酒さ・毛細血管拡張症の特設サイト

Medical

酒さ・毛細血管拡張症の特設サイト|南越谷駅徒歩1分の皮膚科・美容皮膚科|咲皮ふ科クリニック

酒さ・毛細血管拡張症の特設サイト

毛細血管拡張症とは?

毛細血管拡張症

通常は毛細血管は皮膚の表皮の下の真皮にあり、通常は透けて見えることはありません。しかし、何らかの原因によって毛細血管が樹枝状に拡張し、透けて見えるようになってしまうことがあります。この状態を毛細血管拡張症といいます。

この疾患になると、顔や体に赤い斑点や細い糸やクモの巣のような赤みが出現します。かゆみやほてりを伴うことが多いのが特徴です。

毛細血管拡張症の原因

原因として考えうるものは、以下のようなものがあります。

  • 酒さ(しゅさ)の一部症状として生じるもの
  • アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬などの慢性炎症に伴うもの
  • 小鼻の横や眉間など脂漏部位に脂漏性皮膚炎を伴うもの
  • くも状血管腫として生じるもの
  • 遺伝的な背景によって生じるもの

毛細血管拡張症に合併しやすい酒さ

酒さとは?

酒さとステロイド酒さの皮疹分布

酒さとは、眉間部、鼻、頬、顎など顔面の中央部に皮疹が分布し、脂腺性毛包を病変の主座とする慢性炎症と毛細血管拡張を特徴とする疾患です。

酒さの病態としては、遺伝的要因と環境要因の複数の要因が関与してると考えられています。

メカニズム

酒さの症状がある皮膚では紫外線や毛包虫(ニキビダニ)に感受性の高い受容体(TLR2、TRL3)が高く発現していることが分かっています。この受容体の活性の亢進によりカセリサイディンというたんぱく質の産生が亢進し、それにより表皮角化細胞や毛包周囲のサイトカインや免疫細胞の活性が起こり、酒さの脂腺性毛包周囲の炎症を引き起こしていると考えられています。
ステロイドの外用により酒さが悪化する経験されますが、これは酒さに発現している受容体を刺激するためと考えられています。
また、毛包虫(ニキビダニ)は健常人でも認めますが酒さの患者には多く検出されます。この毛包虫(ニキビダニ)が増加すると、丘疹や膿疱といったぶつぶつの症状を引き起こし酒さを悪化させます。

参考・引用文献
Ymasaki K et al,J Invest DErmatol.2011:131:688-697
Shimada-Omori et al,J DErmatol Sci,2020;100:58-66
日皮会誌:134(2),297-303

酒さの種類

酒さは症状に基づいて以下の4型に分かれますが、互いに移行したり合併したりしていることが多く、それぞれ症状に合った治療が必要です。

  • 紅斑・血管拡張型
  • 丘疹膿疱型
  • 瘤腫鼻瘤型
  • 眼型

酒さの外用療法

1ロゼックス

ロゼックス

丘疹膿疱型に有効です。

2イオウフルカンローション

イオウフルカンローション

丘疹膿疱型に有効、丘疹や膿疱に点塗りする方法をおすすめしています。

3イベルメクチンクリーム

イベルメクチンクリーム

丘疹膿疱型に有効です。刺激感がロゼックスよりもマイルドなところが特徴です。
※保険適応外

4アゼライン酸

アゼライン酸

マイルドなピーリング効果があり、ターンオーバーを優しく整えます。ロゼックスやイベルメクチンクリームが合わなかった場合に検討することが多い外用薬です。また、アゼライン酸は海外ではざ瘡の治療ガイドラインでも推奨されています。過酸化ベンゾイル製剤やアダパレン製剤でアレルギーのある方、妊婦さんも使用可能です。

アザクリア: アゼライン酸20%配合
※保険適応外

5アゼライン酸配合スキンケア

ベーシックケアAZ

ベーシックケアAZ: アゼライン酸をアザクリアよりもマイルドに配合(3%)、セラミド、アミノ酸、ナイアシンアミド、ヒアルロン酸など皮膚のバリア機能を担う必要最低限のものを配合。
敏感肌の酒さの方だけでなく、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、ざ瘡にお悩みの患者様に特におすすめです。
※保険適応外

ルルスキンベーシックケアローション

当院オリジナル ルルスキンシリーズ

ルルスキンベーシックケアローション: 両親媒性のビタミンC誘導体APPSとGO-VC®、水溶性ビタミンE誘導体TPNa、セラミドなど刺激を感じにくい両媒性のビタミンCに保湿成分を配合

酒さの内服療法

1抗菌剤

主に丘疹・膿疱型に使用します。
ミノマイシン、ビブラマイシン、ルリッドと言った抗菌剤は殺菌作用のみならず酒さの炎症を抑えます。

2ワカサプリ

ワカサプリ

皮脂の分泌をコントロールするためにビタミンCのサプリ等な補助的に有効な場合が多いです。
※保険適応外

3イソトレチノイン

イソトレチノイン

皮脂腺の活動を抑えることにより酒さの活動性を抑え、酒さ独特の症状である毛包周囲の盛り上がりを改善します。最短で酒さを改善したい方、難治性の酒さの方におすすめしています。ざ瘡よりも低用量で短期間で改善することが多いですが、当院の場合、20mgを3~6か月連日ないしは隔日で内服していただくケースが多いです。副作用の確認のための採血が必要になります。

リスク:肝機能障害、高脂血症、乾燥、稀にうつなどの精神疾患の悪化、内服中は女性の方は避妊していただきます。
※保険適応外

酒さのスキンケアや生活の注意点

酒さ悪化3大因子を避ける

①紫外線暴露

サンソリットマイルドミルク
サンソリットマイルドミルク

物理的な遮光や低刺激なサンスクリーンの外用を推奨しています。

②刺激物の回避

洗浄剤やスキンケアは直接皮膚に触れるものですので、慎重に選んで使用していただきます。スキンケアはルルスキンベーシックローションやベーシックケアAZシリーズなどをおすすめしていますが、なかなか合うものがない方は極力シンプルなスキンケアにしていただいた上で日用品のパッチテストなども積極的に行っています。食事も極端に辛いものなどを摂取すると酒さが悪化します。

③寒暖差や乾燥などの外的要因

酒さの患者さんは一般の方よりも皮膚のバリア機能が乱れていることが多く、一般的な方よりも刺激性及びアレルギー性の接触性皮膚炎起こしやすい免疫バランスになっていることが分かっています(日皮会誌:134(2),297-303)。また、過剰に増えた毛細血管は寒暖差で血流が増すことで悪化します。

その他避けにくい悪化因子として、ストレスや疲れ、妊娠や更年期などのホルモンバランスの乱れは悪化因子になることが経験上非常に多いです。

毛細血管拡張症の治療

①VビームⅡ

VビームⅡ

ヘモグロビン特異的にターゲットとした色素レーザーの一つです。3週間~4週間おきに5回~10回程度の回数を要することが多いです。

②光治療(IP2L)

光治療はヘモグロビンやメラニンなど幅広い色みに反応しますが、当院で採用しているノーリスは冷却装置なしで安全に照射することが可能な光治療となっております。そのため、血管を収縮せずに血管にアプローチできることから毛細血管拡張にも効果を発揮します。また、レーザーの様にパルス幅などの設定が症状に合わせてカスタマイズできます。

③ニードルRF

pagetop