アトピー性皮膚炎

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アトピー性皮膚炎|南越谷駅徒歩1分の皮膚科・美容皮膚科|咲皮ふ科クリニック

アトピー性皮膚炎

他施設の医療従事者の方へ

  • 当院では難治でコントロールの悪いアトピー性皮膚炎の患者様の受け入れを行っています。
  • 診療の見直しや、ご希望によりデュピクセント®、オルミエント®、リンヴォック®、サイバインコ®、ミチーガ®の導入を行います。
  • 下記のテンプレートをダウンロードして必要事項ご記入の上、患者様にご持参いただきますと大変スムーズです。病診連携シートのみの紹介状でも結構です。ご不明の点がありましたらお電話にてお問い合わせください。
  • 咲皮ふ科クリニック(代) 048-971-6612

この病診連携シートは地域の病診連携を深めるために作成されました。
他院から当院のご紹介の際にお持ちいただけると大変スムーズですのでご利用ください。

紹介状をお持ちでアトピー性皮膚炎の初診の患者様へ

  • 受付にて紹介状をお渡しください。
  • お薬手帳を必ずご持参ください。

    ※お電話または皮膚科WEB予約ページからご予約をお取りいただいた上でご来院下さい。
     直接ご来院いただいても診察は可能ですが、診察はご予約の方が優先となります。

診療方針

アトピー性皮膚炎は、乳幼児期~成人までさまざまな程度で慢性に経過し、かゆみのある湿疹をくり返す皮膚疾患です。また症状の悪化は患者様のQOLを大きく低下させることが分かっています。患者様それぞれで症状の経過や生活環境、悪化する原因が大きく異なるため、症状を改善・安定化させるためには、患者様ひとりひとりが病気をきちんと理解され、ご自身に合った治療法や生活スタイルを築くことが重要になります。当院でのアトピー性皮膚炎の診療は外用指導や日常生活の注意点、アトピー性皮膚炎の正しい知識を身につけていただくことを大切にしており、ひとりひとりに対応したきめ細かな診察と治療を行うことで患者様のQOLの向上をともに目指します。

診療内容

日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインに基づいた標準治療を行っています。保湿剤外用を中心とするスキンケア指導、当院オリジナル「皮膚科のお薬手帳」を使用したステロイド剤・免疫抑制剤(タクロリムス)による外用指導と治療、抗ヒスタミン剤の内服治療、パッチテストなどによる悪化因子の検索・除去指導、アトピー教室やセミナーによる患者様向けの勉強会を通じて疾患の理解を深めていただきながら、ひとりひとりに適切な治療方針を立てるよう心がけています。また重症度に合わせて、免疫抑制剤(シクロスポリン)の内服、紫外線療法、アトピー性皮膚炎新規治療薬の生物製剤(デュピクセント®)オルミエント®、リンヴォック®、サイバインコ®、ミチーガ®による治療も行っております。

また乳幼児期のアトピー性皮膚炎は年々増加傾向ですが、この時期のアトピーをしっかり治療しておくことが、子どもの成長によって食物アレルギー、喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患が変化する「アレルギーマーチ」を予防することが分かっています。当院では乳幼児のご両親に治療の重要性や必要性を十分にご説明したうえで外用指導や日常生活の注意点などをなるべく詳しくお話するようにしています。また必要な知識をしっかりと身に着けていただくために、定期的に乳幼児アトピー性皮膚炎のご両親向けにアトピー教室を行っています。

治療

年齢や、症状の重症度に応じて場合によっては複数の治療を組み合わせて治療計画を立てていきます。アトピーの症状は受験や就職などのライフイベント、環境の変化、ストレスで悪化する傾向があります。その時に最適な治療を患者様と相談していきながら行っていきます。

  • 01ステロイド外用
  • 02抗アレルギー剤(抗ヒスタミン剤、Th2サイトカイン阻害薬)内服
  • 03シクロスポリン内服
  • 04紫外線(ナローバンドUVB)療法

    重篤な副作用はありません。1~2週間に1回継続することで皮膚の炎症や痒みを抑えます。

    • ご高齢の方
    • 5歳以上の小児
    • 重症だが、他の治療が選択できない方

    には、副作用が少なくできる治療のために向いています。

    ダブリン7シリーズ(全身照射型ナローバンドUVB)

  • 05デュピクセント®(デュピルマブ)
    ※当院は導入可能な施設です

    デュピクセント

    2018年6月に承認された治療薬で、アトピー性皮膚炎の皮疹やかゆみの原因をピンポイントでブロックする生物学的製剤です。今までの治療で十分な効果が得られなかった中等症以上のアトピー性皮膚炎の患者様に対して、非常に高い改善効果と安全性を示しており、これまでにない優れたアトピー性皮膚炎治療薬であることが報告されています。しかし、このような生物学的製剤の特徴として、薬剤費が高く結果的に高額な患者負担となるデメリットがあります。
    今まで15歳以上が適応でしたが、「生後6ヶ月以上の既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎患者」に対しても使用が承認されました。

  • 06オルミエント®(経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤)
    ※当院は導入可能な承認施設です

    「オルミエント®錠 4mg」及び「オルミエント®錠2mg」は、2021年1月に既存治療で効果不十分な15歳以上のアトピー性皮膚炎に対する適応追加の承認を取得した治療薬です。アトピー性皮膚炎の病態形成に関わる代表的なサイトカインのシグナル伝達に関わるJAK1/JAK2を阻害することで、皮膚の炎症や痒みを抑えることが期待できます。

    オルミエント オルミエント
  • 07リンヴォック®
    (経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤)

    ※当院は導入可能な承認施設です

    リンヴォック

    「リンヴォック®錠 15mg」は、2021年9月に既存治療で効果不十分な13歳以上のアトピー性皮膚炎に対する適応追加の承認を取得した治療薬です。アトピー性皮膚炎の病態形成に関わる代表的なサイトカインのシグナル伝達に関わるJAK1を阻害することで、皮膚の炎症や痒みを抑えることが期待できます。
    これまでの治療のほとんどは15歳以上の適応でしたので、重症度の高い小児のアトピー性皮膚炎の治療薬として期待されています。

  • 08サイバインコ®
    (経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤)
    ※当院は導入可能な施設です

    サイバインコ

    「サイバインコ®錠」は、2021年9月に既存治療で効果不十分な12歳以上のアトピー性皮膚炎に対する適応承認を取得した薬剤です。1日1回服用時間の制限がない、アトピー性皮膚炎治療のための飲み薬です。アトピー性皮膚炎の病態形成に関わる代表的なサイトカインのシグナル伝達に関わるJAK1を阻害します。成人及び12歳以上の小児には、アブロシチニブとして100 mgを1日1回経口投与します。50㎎・100mg・200mgの3剤形があります。通常容量から減量したり増量したりできる点が特徴的です。

  • 09ミチーガ®
    ※当院は導入可能な施設です

    2022年8月発売「ミチーガ®」は、アトピー性皮膚炎の炎症やかゆみの原因となる物質のうち、IL-31(インターロイキン31)のはたらきをブロックことによりアトピー性皮膚炎のかゆみをおさえる注射タイプの生物学的製剤です。ステロイドなどの外用、抗アレルギー剤の内服、保湿剤の併用など既存治療でアトピー性皮膚炎に伴うかゆみに対する効果が不十分な13歳以上の方に保険適応となります。ご自宅での自己注射ではなく、4週間に1回、病院で注射をお受けいただきます。

    ミチーガ ミチーガ

経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤 オルミエント®、リンヴォック®、サイバインコ®について

当院での導入方法

炎症やかゆみを起こすシグナルが伝わらなくなることで炎症やかゆみを抑える、皮膚のバリア機能の改善が期待できる。

導入に際して

JAK阻害剤は高額な治療になりますので、導入に際してしっかりとご説明をさせていただきます。適応の判断はもちろんのこと、経済的なご負担や、通院スケジュールについてご説明いたします。

通院スケジュール
事前
検査

採血アイコン

採血

1週間後以降

内服薬アイコン

投与開始

2週間後

診察アイコン

診察

4週間後

診察アイコン

診察

初回の採血では、結核、B型肝炎、C型肝炎、腎機能の確認を行います。4週間後以降は症状の状態によりその後は症状の状態により4週間~6週間間隔程度でご来院いただきます。

12週間後

採血アイコン

採血

その後3か月に1回定期的に採血を行います。

メリット
  • 非常に治療効果が高い
  • 1日1回、経口投与で治療できる
デメリット
  • 薬剤費が高額である ※1か月の薬剤費は約45,000円程度(※3割負担の方)となります。必要に応じて高額療養費制度を使用します。
注意点
  • 3か月に1回の定期的な採血が必要である
  • 腎機能障害がある方は程度により投与量を調節する必要がある
  • 稀な副作用として、帯状疱疹、ヘルペスなどの感染症、肝機能障害などがある

デュピクセント®(デュピルマブ)について

適応患者について

ステロイド外用剤・プロトピック軟膏などの抗炎症外用剤を6か月以上投与しても十分な効果が得られない中等度以上で、生後6か月以上のアトピー性皮膚炎の方
※デュピクセントを投与開始後も、原則として外用剤は継続していただきます。

デュピクセント®の治療を受ける場合の薬剤費の目安

令和1年6月より長期処方(3か月分のお薬)解禁となり、患者様のご負担額が大幅に軽減しました。
ほぼ全員の方が高額医療費の申請をしていただく必要があります。収入等によってひと月の自己負担額が異なります。またその他にも患者様の経済的な負担を軽減するため、さまざまな医療費の助成制度がありますのでご確認ください。

当院での導入方法
初回導入の方

デュピクセントに関しては患者様の薬剤をひとりひとり確保するため、原則予約制となっております。ご相談のみはご予約なしでも可能です。デュピクセントは高額な治療になりますので、導入に際してしっかりとご説明をさせていただきます。適応の判断はもちろんのこと、経済的なご負担や、通院スケジュール、自己注射についてご説明いたします。本薬剤が適応の場合は次回来院のご予約を院内でお取りし、次回から投与開始となります。

注射スケジュール
デュピクセント注射スケジュール
他院にて導入済みの方

すでに他院で導入済みの方にもご対応可能です。必ず、紹介状をお持ちになってご来院ください。紹介状には、「導入時の重症度スコアシートのコピー」及び「自己注射管理シート2回分のコピー」を添えていただけますとスムーズです。

ミチーガ®(ネモリズマブ)について

適応患者について

抗炎症外用剤(ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤(プロトピック軟膏®)など)及び抗アレルギー剤による適切な治療を一定期間施行しても、そう痒を十分にコントロールできない成人及び13歳以上の小児のアトピー性皮膚炎の方。
※ミチーガ投与開始後かゆみがおさまっても、処方された他の治療薬は医師の指示通りにしっかり使用していただくことが必要です。ミチーガはアトピー性皮膚炎の「かゆみ」をおさえる薬です。ステロイド外用剤、タクロリムス外用剤(プロトピック軟膏®)、デルゴシチニブ外用剤(コレクチム軟膏®)、保湿外用剤など、アトピー性皮膚炎の他の症状に対する治療は中止しないでください。

ミチーガ®の治療を受ける場合の薬剤費の目安

ミチーガ®は通常、4週間に1回皮下注射をします。
ミチーガ皮下注用60mgシリンジは1本117,181円ですので、仮に3割負担の患者様の場合、1か月当たりのミチーガ®の薬剤費は35,154円となります。

当院での導入方法
初回導入の方

ミチーガ®に関しては病院で医師による皮下注射となります。原則予約制となりますが、ご相談のみでしたら、ご予約なしでも可能です。適応の判断、経済的なご負担について、通院スケジュール、ミチーガ®治療中に予想される副作用などについてご説明いたします。

注射スケジュール

4週間に1回、ミチーガ皮下注用60mgシリンジ1本を来院時に皮下注射します。

投与開始日

注射アイコン

60mg

4週間後

注射アイコン

60mg

8週間後

注射アイコン

60mg

12週間後

注射アイコン

60mg

他院にて導入済みの方

すでに他院で導入済の方にもご対応可能です。必ず、紹介状をお持ちになってご来院ください。

アトピー性皮膚炎に多い皮膚の合併症

アトピー性皮膚炎に多い合併症はいずれも皮膚のコントロールが悪い状態の時に発症することが多いです。いつも皮膚を安定した状態に保つことが大切です。

その他

乳幼児・小児アトピー教室

特に乳幼児・小児のアトピー性皮膚炎のご家族向けに定期的に開催しています。下記の2回構成になっております。

乳幼児・小児アトピー教室 前編
  • アトピー性皮膚炎とは?
  • アトピー性皮膚炎の特徴と経過
  • 正しいステロイド外用方法
乳幼児・小児アトピー教室 後編
  • 年齢別アトピー患者との付き合い方のコツ
    ~日常生活の注意点をふまえて~
  • 食物アレルギーと離乳食の進め方について

開催日時はホームページ等にてお知らせします。ご予約は受付窓口、電話で可能です。

外用・生活指導

ステロイド外用やスキンケアは適切に使用しないと、その効果が半減し、治療効果が全くでない場合があります。当院ではオリジナルの「皮膚科のお薬手帳」を使用して、特に初診でいらした患者様にはしっかりと外用指導を行い、来院時にご自宅で適切に外用できたかを確認します。

ご自宅でうまく外用できない、一人暮らしで外用できない、外用する気力がない、などの場合は毎日病院に来ていただいて当院で外用の補助をすることも可能ですのでご相談ください。
当院ではご自宅でも処方された外用薬を正しく塗っていただけるツールとしてオリジナルの『皮膚科のお薬手帳・小児版』を準備しています。塗り方のコツや必要な知識をコンパクトにまとめ、処方された薬を実際どのように塗るのかを記入してお渡しします。ぜひご活用ください。

アトピー性皮膚炎急性増悪、教育入院

下記のような場合は、ご相談の上、地域の基幹病院と連携して入院加療も可能です。ご相談ください。

  • 何らかの原因(ストレス、うつなどの併発、脱ステなど)で急にアトピーが悪化してしまった場合
  • 皮膚から感染を起こしてしまい発熱などがあり全身状態が悪化した場合
  • 皮疹の面積が広い、もしくはステロイドを外用する気力がなくなってしまった場合
  • 入院することで、外来でコントロールしやすい状態まで改善させたい、アトピーの知識を深めたり、外用方法を学びたい場合

セミナー

アトピー性皮膚炎の新薬や現在募集中の治験薬について、
アトピー性皮膚炎に関連するアレルギー疾患である食物アレルギー、喘息などのテーマ別のセミナーを今後予定しています。随時ホームページや院内にてお知らせします。

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