コラム
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『いぼをとって欲しいのですが、、』という患者さんは沢山いますが、『いぼ』にも様々な種類があるのをご存じですか。今回はそんないぼの治療について取り上げたいと思います。
一番厄介なのが、足の裏や手のひらにできるウィルス性のいぼ(尋常性疣贅)です。放っておくとあちこちにうつって治すのが大変になってしまいます。アトピー性皮膚炎の患者さんにもよく合併することがあり当院にも沢山の方が通院しています。
その他、顔にや手の甲など露光部に多い、しみが盛り上がったような茶色のいぼ(脂漏性角化症)、首に多い小さないぼ(軟繊維腫)、足の裏に多いいわゆる魚の目(鶏眼)やたこ(胼胝)があります。当院ではそれぞれ適した治療を行っています。
尋常性疣贅では、なるべく少ない回数で治療できないものかと様々な工夫をしております。液体窒素は昔から有効性と安全性が確認されているガイドラインでも推奨度Aの治療法ですが、やり方によっては「何回通っても治らない」という経験をお持ちの患者さんもいらっしゃるかと思います。そんな中、治療当院で最近導入した噴射型の液体窒素が均一に深く焼くことができて非常に役立ちます。
株式会社エムエムアンドニーク
お痛みが苦手なお子様では外用療法のみで治療することもありますが、当院では以下のような治療がスタンダードとなっております。通院頻度はおよそ2週間に一回としています。治療初期に1ヵ月空いてしますと元通りの大きさに戻ってしまうことが多いので注意が必要です。
① 液体窒素の前に固くなった角質を削る:液体窒素を有効に効かせる工夫
② 噴射型液体窒素をピンポイントに均一に深く照射【ガイドライン推奨度A】
③ 各種外用療法をご自宅のケアとして行っていただく【外用剤の種類によってガイドライン推奨度A~C1】
④ ヨクイニンの内服【ガイドライン推奨度B】
※乳幼児,学童,青年,成人でそれぞれ有効率 71,74,57,20%(ガイドラインより抜粋)。(小さいお子様程よく効くんですね。)
⇒どうしても難治(10回以上かかるなど)な場合、①を
⑤ 局所免疫療法のDPCPの塗布【ガイドライン推奨度B】※保険適応外です
に変更します。
また、これまで脂漏性角化症(茶色くもりあがったしみ)に液体窒素を行うと盛り上がりはとれてもどうしても色素沈着が残りやすいので、ご承諾いただけた患者さんにしか行っていなかったのですが、噴射型液体窒素の方が綿球法よりもきれいに治療できる症例がふえてきました。
これからもきれいに、はやく治療効果をだせる工夫をしていきたいと思います。
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キーワード:いぼ、尋常性疣贅、脂漏性角化症、軟繊維腫、鶏眼、胼胝、綿球法、噴射型液体窒素、痛みが苦手、ヨクイニン、局所免疫療法、DPCP、清村咲子