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ビタミンA豆知識② ビタミンA誘導体、ビタミンAの種類と作用|南越谷駅徒歩1分の皮膚科・美容皮膚科|咲皮ふ科クリニック

ビタミンA豆知識② ビタミンA誘導体、ビタミンAの種類と作用

暖かい日が増えて春めいてきました。同時に花粉がつらい時期でもあります。抗ヒスタミン薬や点眼、点鼻の併用で症状が緩和されますので外来でもご相談くださいね。

今回は紫外線が気になり始めるこの季節に、ビタミンAの種類やそれぞれの効果や作用について整理していきます。

ビタミンAは皮膚の健康に欠かせない成分で、もともと肌に貯蔵されているものです。紫外線によるダメージを受けた肌を正常に整え、健康で美しい肌に保つため、紫外線ケアには重要なビタミンです。
さらに、肌の中のビタミンAは、紫外線を浴びると、紫外線の光線エネルギーを受け止め、細胞が損傷するのを防ぐ働きがあり天然の日焼け止めと言われています。
しかし、紫外線を浴びると、肌内部のビタミンAは破壊され減少してしまう性質があるので、毎日肌から「補給」することが大切です。ビタミンAを上手に食事やスキンケアから取り入れて、光老化を上手にコントロールしていきたいですね。

ビタミンAには以下の図のように、主に6種類の形態があります。化粧品成分のレチノールには、パルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノール、酢酸レチノール、レチノールがあり、前者の3つはレチノールを安定化し、浸透を上げるために他の成分を結合させたものです。レチノイン酸は医薬品になります。

右に行くほど活性が強く、効果も高いですが、肌には刺激が強くなります。紫外線に対しても原則左の3つは防御として働きますが、右の3つのは逆に弱くなります。分かりやすく、守りのケア、攻めのケアなどと言って表現されることもあります。

しかし、どの程度の濃度で含有しているか、変性を防いだり肌への浸透をよくするためにレチノールに他の成分を結合させたり、ナノ化やカプセル化されるなどの浸透システムの違いなどによって、効果や反応の出方が違いますので、一概にこの通りでもありません。

レチノールは、体内で皮膚の表皮の基底層に運ばれると、酵素によって代謝を受けてレチナールに変わり、最終的にレチノイン酸に変化します。

レチノールからレチナールへの変化は可逆的で、レチナールがレチノールに戻る場合もありますが、レチナールが一旦レチノイン酸に変わると、もとには戻りません。

レチノール ⇔ レチナール ⇒ レチノイン酸 ⇒ ターンオーバー活性化

このレチノイン酸が、角質の代謝を促すことで、肌のターンオーバーを活性化させます。

そもそも前述のように肌にはビタミンAが存在するのですが、その量が少ない場合、レチノールを配合した化粧品を使うと肌の乾燥や赤み、かゆみが出る場合があります。医薬品のレチノイン酸はさらに強い反応が出ることが多いです。
ビタミンAが不足した肌にレチノールを塗ることで、新陳代謝が急激に促進されて起こる症状です。

これを「レチノイド反応(A反応)」といい、肌がビタミンAに慣れると症状は次第に治まるといわれていますが、レチノイド反応の症状がなかなか治まらない、症状がひどいという場合は、頻度を控えるか、濃度を低いものから始める、などの工夫が必要ですし、レチノール以外の成分へのかぶれの可能性もありますので注意が必要です。

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