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酒さ(赤ら顔)にせまる② 機械編|南越谷駅徒歩1分の皮膚科・美容皮膚科|咲皮ふ科クリニック

酒さ(赤ら顔)にせまる② 機械編

連日沢山の患者様に通院していただきありがとうございます。スタッフも少しづつ仕事に慣れてきましたが、まだまだご不便をおかけしていることもあるかと思いますが、日々運用改善に努めて参ります。

さて、春になり顔や首に痒みや赤みがでてお困りの患者様が増えています。この時期は「花粉皮膚炎」と言われ、花粉等が露光部位に付着して皮膚炎を起こしているケースが多いです。今回は前回更新した酒さ(赤ら顔)の治療編ですが、この酒さと花粉皮膚炎は合併が多い(27%;J Dermatol. 2022;49:519-524)と報告されています。言い換えると酒さの方も春は悪化しやすい時期と言えます。

現在日本国内では酒さの治療方針について体系的にまとめられたものはなく海外よりもずっと遅れています。酒さには「ステロイド外用はよくない」ということで、「プロトピック®軟膏」に代表される非ステロイド外用薬でお茶を濁すケースが散見されますがプロトピック®では改善しないことが多く治療に難渋します。最近になって、マルホ製薬からメトロニタゾールである「ロゼックス®ゲル」が保険適応で処方できるようになり、海外の標準治療薬を用いて治療できるようになりました。外用薬と内服薬についてはエビデンスを踏まえて治療編でまとめていきます。

【酒さの治療:機械編】

当院では酒さに効果的なデバイスを2つとり揃えております!Vビームは非常に高額なため(💦)、迷いに迷いましたが、こちらがないとできない治療が沢山ありますので、他の美容機器を後回ししてでも、、と思い採用いたしました。重症度にもよりますが根気が必要な酒さ治療ですが、外用薬や内服薬とデバイス治療のコンビネーション治療で根治を目指しましょう。

① 色素レーザー「VビームⅡ」

VビームⅡは赤みを治療するダイレーザーの一つで、血液中のヘモグロビンに反応して血管を縮ませたり破壊することで赤みを改善するレーザーです。酒さによる赤ら顔、ちりちりと毛細血管が開いて見える毛細血管拡張症、単純性血管腫(赤あざ)、にきび・びきび跡、妊娠線やピアス後等のケロイドの赤みまで、幅広い赤みを治療可能です。Vビームには出力、パルス幅、スポット径の3つの設定があります。この3つを毎回症状に合わせて設定して治療を行っています。出力は高いほど効果は上がりますが、上げすぎると紫斑がでたり、炎症後の色素沈着が残ることがあるため注意を要します。症状によって出力は調節し、酒さの場合は紫斑が出ない程度の弱めの出力を多くのケースでは使います。パルス幅は変えるだけでVビームの効果は大きく変わることがあります。症状に応じて、また治療効果に応じてパルス幅を調節しながら治療しています。毛細血管拡張症を伴う酒さの場合は保険適応となる場合もあります。

②光治療機「Nordlys(ノーリス™)」

光治療機は通常ミリ秒単位の機械ですが、当院採用のノーリス™はマイクロ秒のパルス幅の設定が可能で、最短のパルス幅は500マイクロ秒です。レーザーに近いピークパワーの高い照射を実現し、熱緩和時間の短いターゲットにも治療を行うことができます。当院のDr施術のカスタマイズ光治療では、照射設定をカスタマイズすることで疾患に合わせたきめ細やかな治療を行うことができます。また、ノーリスは治療に不必要な400 nm以下の波長に加え、950 nm以上の波長もカットしており、また理想的な長方形に近いパルスのエネルギー照射を実現しているため、治療の際に冷却をする必要がありません。それ故、血管病変に対して、血管を収縮されることなく、光治療を安全に行うことが可能です。しみ治療の場合はカスタマイズは必要ないことが多いですが、酒さやにきび跡など赤みの治療はカスタマイズ設定可能なDr施術の光治療がおすすめです。(※ご要望も多く、Dr施術の5回コースも設けました。)

いづれも診察からレーザー照射の施術まで、当日施術まで可能です。お悩みの方はお気軽にご相談くださいませ。(※ご予約の方が優先にはなります。)

 

酒さ(赤ら顔)にせまる①原因編

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キーワード:花粉皮膚炎、酒さ、赤ら顔、毛細血管拡張症、ロゼックス、メトロニタゾール、プロトピック、色素レーザー、VビームⅡ、光治療、ノーリス、出力、パルス幅、スポット径、カスタマイズ光治療

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