コラム
COLUMN
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当院が進めている〈育てる美容医療〉は、「いきなり攻める前に、真皮が“働きやすい場”を整える」ことを大事にしています。今回クワトロ LDM®19 を導入したのは、真皮の場=ECMをつくる側と壊す側のバランスを、非侵襲で日常的に整える手段がほしかったからです。
ECM老化や赤みが取れにくい肌をみるとき、鍵になるのはだいたいこの3つです。
MMPs(マトリックスメタロプロテアーゼ)
→ コラーゲン・エラスチン・プロテオグリカンを分解する酵素で、紫外線や慢性炎症で上がりやすく、これが続くと“土台がやせる”ことが分かっています。onlinelibrary.wiley.com+2PMC+2
GAGs(グリコサミノグリカン)
→ ヒアルロン酸をはじめとする“水を抱えて、成長因子をとどめる棚”。ここが痩せると、つくるシグナルが伝わりにくくなり、炎症も長引いてしまいます。
HSPs(ヒートショックプロテイン)
→ 熱やストレスで誘導される保護タンパク。新しくつくるコラーゲンのフォールディングや修復を助ける。RF・超音波・レーザー後のリモデリングの中核となります。PubMed+1 これは高密度超音波の中では周波数を交差させることができるLDM®だけができる機能です。
この3つはバラバラに動くのではなく、**「MMPsが静まるとGAGsが働きやすくなり、そこに適度なHSPシグナルがのると“つくる側”に傾く」**という関係になっています。LDM®はまさにこの3点を同時にゆさぶれる数少ない非侵襲デバイスです。デュアル〜マルチ周波の超音波でMMPsとHSPsを一緒にモジュレーションする戦略は、もともと外科後の浮腫・線維化で報告があり、炎症を短くできることが示されています。
「壊す勢いをいったん静めて(MMPs↓)、水と成長因子がとどまれる床を戻し(GAGs↑)、そこに軽い修復スイッチ(HSPs↑)をのせる」──これがLDM®が得意とするところです。とくにクワトロ LDM®19 では周波数の組み合わせが増えた分、浅い慢性炎症+深めのECMゆるみ+浮腫みたいな“ミックス症例”でも1セッションで設計しやすくなりました。
“材料を入れて、線維芽細胞に仕事をさせる”のが軸。
ただしMMPsが高く回っている肌・慢性炎症肌だとロスが出るので、前後にLDM®でMMPsを一度下げる→GAGsが働ける床をつくるイメージです。
あえて一時的にMMPsと炎症を立ててからHSP→新生コラーゲンへ持っていく“攻めの日”。
だから前後にLDM®で炎症・浮腫・水分環境を平らにすると、熱の入り方と回復が安定する。
微細創傷+RF熱で基底膜や真皮上層を作り直す“創傷治癒ドライブ型”。
酒さ寄り・アトピー素因・肝斑周辺では、先にLDM®で慢性炎症をなだめておくと過剰なMMPs立ち上がりを防ぎやすい。
ダウンタイム中にもLDM®を軽くはさむと、ECMがきれいに戻りやすい。
589nmがヘモグロビンに素直に反応して赤み・毛細血管・酒さ様紅斑を狙える、1319nmで皮脂腺・炎症性ざ瘡・真皮浅層のリジュビネーションを足せるので、実は「炎症を抑えながら質感も整える」という点ではLDM®と目的が近いデバイスです。
ただしアドバは“光でターゲットを焼き分ける”アプローチなので、施術直後にごく軽い炎症の山ができる人/酒さ・アトピー背景で赤みが残りやすい人は、事前にLDM®でMMPsと浮腫を抑えておくと赤みが引きやすいです。
逆に、アドバを“赤みの掃除係”、LDM®を“ECMの場づくり係”として交互に置くと、慢性炎症スキンでよくある「赤みだけ取れなくて、たるみ・毛穴だけが気になる」状態を崩しやすい。
VビームのようなPDLに比べてダウンタイムが少ないぶん、“こっちで赤みを整理→LDM®でMMPs/GAGs/HSPsを均す→その上に肌育製剤やソフWを載せる”という3段構成が組みやすいです。
熱や光でターゲットを焼かず、MMPs↓+GAGs↑+HSPs↑を低侵襲でくり返せるのが最大の違い。
アドバやVビーム側で“表に出ている炎症・血管”を処理し、LDM®で“裏で回っている慢性炎症とECMの疲れ”を処理する表部隊と裏方で役割分担してくれています。
アドバは“赤み・炎症をライトで狙い撃ちする係”、
LDM®は“その炎症で疲れてるECMのリセット係”、
ソフウェーブとニードルRFはぐっと“若返りを進める工事係”(注:工事系だけどダウンタイムはほぼありません)、
肌育製剤は“材料を入れる係”。
どれか1つじゃなくて、肌の状態で順番を入れ替えたり組みまわせたりすると一番きれいに仕上がるのではないかと現時点では考えております。
📣ただいまLDM®も選べる肌管理リッチモニターさん募集中です。データを蓄積していくことで、治療の再現性と安全性を高めてまいりたいと思います。