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シルファームXのエビデンスに基づく威力|南越谷駅徒歩1分の皮膚科・美容皮膚科|咲皮ふ科クリニック

シルファームXのエビデンスに基づく威力

連日人気のシルファームXですが、なぜシルファームXを選んだか最新の論文を簡単にご紹介しながらまとめます。

理由としては当院の通院患者様に合併が多い肝斑、赤ら顔(アトピー性皮膚炎を含む)を根本的に改善しうるエビデンスがあること、肌育注射(ジャルプロシリーズやジュベルック、プロファイロなど)はお痛みの面や価格面などで難しいが真皮治療が必要な肌老化(くすみ、こじわ、ハリ感の低下)がある方やにきびやにきび跡・毛穴の治療としてダウンタイムがほぼなく継続しやすいことが挙げられます。また特に肌トラブルがないけども陶器肌を目指したい美容皮膚科玄人の方にもおすすめしたい治療です。ご興味のある方は外来にて是非ご相談くださいませ🌟他院ではニードルRFは看護師施術のところが多いかもしれないのですが、1回の治療で顔の部位ごとの症状により設定を細かくすることでなるべく少ない回数で結果を出せるようにしたいという思いがあり、導入後しばらくはドクター施術の予定です(今後メニューを整理して変更する可能性はございます)。

シルファームXの肝斑の方を対象に加療した最新の論文を分かりやすくコメントを交えながら簡単にご紹介します(^▽^)/

Targeting the dermis for melasma maintanance treatment. Hee Jeong et al.  Scientific Report. 2024;(14);949

前提知識:

肝斑は光老化の表現型の1つであり、病理学的、免疫学的にメラノサイトの過活動に加え、日光弾性繊維症、血管新生亢進、および老化線維芽細胞(老化細胞などとも言われている注目の細胞です)の増加がみられていることが過去の研究より示されている。

②肝斑治療は長らく、トラネキサム酸の内服、ハイドロキノン・トレチノイン療法(セラピューテックとも言いますね)に欧米ではこれにステロイドを加えたトリプルコンビネーションクリームなどが保存的治療とされてきたが、一度肝斑が改善しても再発することが問題となってきた。

シルファームX(ニードルRF)は基底膜(基底膜はおよそ0.3mmの位置ですが狙う位置によって2mmまで設定可能)のメラノサイトの過活動を抑制・基底膜を修復、毛細血管減少、老化繊維芽細胞を減少することで結果的にしメラニン過剰状態を改善することが過去の研究により示されています。

今回の研究方法:肝斑患者15名にトラネキサム酸500mg/day、トリプルコンビネーションクリームを1日1回外用を2か月外用し、この間半顔にシルファームXを2週間おきに6回施術した。その後、トラネキサム酸の内服とトリプルコンビネーションクリームの外用を中止し、引き続き半顔はシルファームXを4週間に一度6回施術した。シルファームXをしない方の半顔はその間無治療とした。

結果と考察:トラネキサム酸の内服とトリプルコンビネーションクリームの外用中止後、シルファームXを継続した半顔は肝斑の改善を維持したが、シルファームXをしなかった大半の半顔はおよそ2か月で再発傾向を認めた。このことはシルファームXが肝斑の維持療法として有効であることが示唆される。

個人的な考察や課題:トラネキサム酸の内服や美白剤の外用を中止しても、シルファームXを継続することで肝斑改善後の維持ができることが今回の研究から分かったが、逆にある程度肝斑が改善した後はどのくらいの間隔をあけてシルファームXをすればよいのか?などは肝斑治療中の患者様の有益な情報となりえると思いますので、今後検証していきたいと思います。

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