コラム
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久しぶりのアトピー性皮膚炎についてです。デュピクセント®はアトピー性皮膚炎治療に使用できるようになって久しいですが、同時に年単位で治療中の方も多くなってきました。長く治療していると一番多い質問は「いつまで続けたらいいでしょうか?」「やめてもいいでしょうか?」といったものです。費用もかかる治療ですので、経済的に継続が難しい場合はできるだけ皮膚炎が再燃しないように、良い状態をキープできるように辞めていく方法を探ります。具体的には外用療法のおさらいと見直しを患者さんとともにして再燃を未然に防ぐことが一番大切になります。
そのようなケース以外の場合は以下のような点に留意します。
1.(当然ですが)残存した皮膚炎はあるか、痒みはあるかどうか、いづれもない場合はどのくらいそのない状態がキープできているか?
2.デュピクセント®を始める前の重症度はどうだったか?
3.総IgE値、TARC値の推移はどうか?
4.どの程度ステロイドの外用薬を現在使用しているか?
デュピクセント®は副作用がとても少ないお薬なので長期的に継続するデメリットは実はほとんどないです。ですが、患者さんからすると「(ステロイドの外用やデュピクセント®で)治療しないでも皮膚炎がない、痒くない」状態を目標にされている方が多いので非常に難しい問題なのです。
一人ひとりに合ったアトピー性皮膚炎の治療を伴走していくのが皮膚科医の仕事なのかもしれません。
キーワード:アトピー性皮膚炎、デュピクセント®、生物学的製剤、総IgE値、TARC値、ステロイド外用療法、プロアクティブ療法、寛解維持、長期寛解維持、皮膚科専門医、アレルギー専門医、清村咲子