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尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)の治療の工夫 その② 治療の実際と生活指導|南越谷駅徒歩1分の皮膚科・美容皮膚科|咲皮ふ科クリニック

尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)の治療の工夫 その② 治療の実際と生活指導

12月に入り、すっかり寒くなってきてしまいました。。

今回は尋常性乾癬の当院で行う実際の治療と生活指導の工夫について、お伝えしたいと思います。

尋常性乾癬の治療はその①ピラミッド式でもお伝えしましたが、乾癬の治療はとにかく選択肢が多いということです。

特に重症な患者さんほどその治療の選択肢について説明しなくてはならないのですが、すべてを説明したとしても患者さん自身も『どうしていいか分からない』ということになるかと思います。同じ慢性疾患であるアトピー性皮膚炎の患者さんよりも年齢層が高く、合併症もあることが多いため、副作用なども含めた管理が必要、となると、医師側にも充分な知識が必要になってきます。

このような背景から、乾癬の治療にあたっては、ご自身の病状を把握し,治療法の得失を勘案して,患者さんと医師が理解を共有して治療法を選択するShared decision making(協働意思決定)という考え方をする必要があります。

 

【外用療法の工夫】

✓ ステロイド外用薬は高ランクから開始し、副作用の発現がみられたら塗布回数を減らす。※多い副作用:皮膚が薄くなる、内出血。

✓ 外用薬の塗布量は、『塗ったらテカテカになって、軽く付けたティッシュペーパーがつく程度に塗ってください』と説明する。

✓ 重症例にはステロイドと活性化型ビタミンD3の配合外用剤(ドボベット®、マーデュオックス®)から治療を開始する。

✓ 皮疹が厚く治りにくい部位や亀裂ができて痛みを伴う場合にはステロイドテープ剤を用いるとよい。

✓外用薬は季節や患者さんのライフスタイルにあわせて剤型を使い分ける。軟膏、クリーム、ゲル、ローション、テープ、シャンプーなど。

✓乾癬治療における保湿スキンケアは症状の改善効果も期待できる。

 

【紫外線療法の工夫】

光線療法は週に1,2回の頻回の照射が効果的。

 

【内服療法の工夫】

✓ 内服療法には、アプレミラスト『オテズラ®』レチノイド『チガソン®』シクロスポリン『ネオーラル®』メソトレキセート『リウマトレックス®』がある。

✓ 乾癬の症状やタイプ、それぞれの内服薬の副作用や既存の内服薬との飲み合わせ、ライフスタイルに合わせてチョイス。外用療法や紫外線療法との併用も効果的。

 

【生活指導の工夫】

✓ 肥満の乾癬患者さんには、まずは運動や食事療法で減量していただく。

✓ 入浴時などの日常生活などでなるべく『皮膚をこすらない』ようにしていただく。※ケブネル現象:乾癬のひとつの特徴で、こすったり、刺激したところに乾癬の皮疹がでる。

 

【生物製剤の工夫】

✓ 生物学的製剤は症状やタイプ、さらに自己注射ができるか、注射時の痛みに耐えられるか、ライフスタイルなどで使い分ける。

✓ 生物学的製剤の使用時でも外用療法を併用することを説明する。

※当院は今年に入り日本皮膚科学会の審議を経て、獨協医科大学埼玉医療センターとの連携下に生物製剤の継続投与および新規導入可能な生物学的製剤使用承認施設として認可されています。しかし、新規導入に関しましては採用薬を検討中のため、現在ではヒュミラ®、コセンティクス®、トルツ®、ルミセフ®、シムジア®の継続投与のみ受け入れております。

 

キーワード:尋常性乾癬、ピラミッド式治療、Shared decision making(協働意思決定)、ステロイド外用薬、活性型ビタミンD3 外用薬、オテズラ、シクロスポリン、リウマトレックス、生物学的製剤、生物製剤使用承認施設、清村咲子

 

 

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