コラム
COLUMN
コラム
COLUMN
こちらのシリーズ、だいぶ遅らせばせながら💦更新させていただきます。おそらく治療の方が興味のある方が多いのではないでしょうか。
レーザーの種類に関しましては現在複数のメーカーから様々な機能が搭載されたものがありますので、症状によって使い分けたり設定を変えて照射していくことになります。しみ治療に使用するレーザーは「照射時間」が固定されたものがほとんどで比較的最近開発された照射時間が「ピコ秒」単位のレーザーが最近は注目されており、従来からある「ナノ秒」単位のレーザーでレーザーの発振方式が「Qスイッチ」である「Qスイッチルビーレーザー」や「Qスイッチアレキサンドライトレーザー」と同等の効果が得られるとされています。レーザーには「照射時間」以外では、どの色調に効果があるかに関係する「波長」があり通常一機種につき1〜3種類の「波長」を取り出すことができます。そのほか「フルーエンス」、「照射径」など様々な設定があり、レーザーは奥がとても深いのです。
レーザーに期待する効果としては大きく①色(茶色、黒色、赤色)を改善する効果、②肌質(毛穴の縮小、はり感)を改善する効果に分けられます。しみ治療とは関係ないですが、炎症を抑えるエキシマレーザーや癌治療に使用するダイオードレーザーなどレーザーは種類によって様々な効果があります。
しみの種類編においては種類によるメラニンの深さを示しました。浅在性のしみに関しては光治療>>、各種レーザーのスポット照射が有効です。光治療では複数回の治療が必要で、レーザー治療では特にレーザー後の色素沈着のケアが必要になります。アフターケアとしてはトレチノイン・ハイドロキノン療法(ゼオスキンヘルス及びガウディスキンのセラピューティックなど)>>を中心とした美白剤の外用をします。角化して盛り上がりのあるタイプのしみは「脂漏性角化症」の場合が多く、炭酸ガスレーザーを使用します。
深在性のしみである太田母斑や後天性メラノサイトーシス(ADM)はレーザーのスポット照射のみが有効で複数回の治療が必要ですが、治療期間中はレーザー後の色素沈着のケアが必要です。
肝斑は主にトラネキサム酸を中心とした内服薬を軸に美白剤の外用が中心となります。当院でも美白剤に関しては主にハイドロキノンを使用しており、ゼオスキンヘルス及びガウディスキンのレチノイン・ハイドロキノン療法>>を沢山の患者様にしていただいており、有効性が高いです。トレチノインによる皮むけや赤みで支障が出る場合やハイドロキノンアレルギーの場合にはシステアミンを含有した「シスペラ®」>>や、ビタミンCやトラネキサム酸のイオン導入>>、各種ピーリング>>などを行います。肝斑は「擦らない」といった生活指導も大切ですね。肝斑のレーザー治療に関しましては「レーザートーニング」という手法を主に用いますが、トラネキサム酸の内服を前提とした場合のみに有効性が示された報告※1 になります。レーザー治療により白斑や悪化の報告も多いため、特に繰り返しの照射は注意が必要です。肝斑の病態が少しずつ明らかになり、針先から高周波が出る機械治療も有効であるとの報告※2もありますが、現時点ではそのほかの治療より先にくる選択肢ではないかと思います。※1 Mckesey J, et al. Am J Clin Dermatol, 2: 173-225, 2020. ※2 Kim M. Exp Dermatol. 28: 719-722. 2019.
色素沈着は、ニキビ、レーザー、怪我、アトピー性皮膚炎などの湿疹など、様々な原因で生じますが、ご自身の取り入れやすい方法で治療していきます。美白剤の外用、機械系治療では美白剤の導入>>やレーザートーニングが有効です。
少し難しい内容も含んではいますが、しみでお悩みの皆様の参考になりましたら幸いです。また今後も一つひとつの治療について、当院で採用のあるものや採用が決まった治療を中心に深掘りして情報共有をしていきたいと思います。
紫外線が強いシーズンになりました☀️どのしみにもしみ治療後にも紫外線ケアは必須となります。日焼け止め、飲む日焼け止め、日傘や帽子などでしっかり遮光をしましょう。
当院では様々なタイプの日焼け止めのご用意がございます。次回は日焼け止めの豆知識と選び方についてスタッフブログを更新予定です💫お楽しみに。
キーワード:しみ治療、レーザー、照射時間、波長、ピコ秒、ナノ秒、Qスイッチルビーレーザー、Qスイッチアレキサンドライトレーザー、エキシマレーザー、ダイオードレーザー、炭酸ガスレーザー、脂漏性角化症、太田母斑、後天性メラノサイトーシス(ADM)、肝斑、色素沈着、アトピー性皮膚炎、レーザートーニング、トラネキサム酸、紫外線ケア、美容皮膚科・レーザー指導専門医、清村咲子
【関連コラム】