コラム
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酒さ(赤ら顔)の原因編>>、機械編>>、外用編>>と更新してまいりましたが、今回は内服編となります。内服薬は体に負担がかかるものありますので適応を選び投与期間や副作用に注意しなければなりません。主にぼつぼつを伴う丘疹膿疱型の中等症~重症の患者様に処方します。丘疹や膿疱が収まったら徐々に減量・中止し、紅斑や毛細血管の拡張のみが残る場合にはVビーム(色素レーザー)や光治療などを繰り返し行っていくことが一般的です。
尋常性ざ瘡・酒さ治療ガイドライン2023年(日皮会誌: 133(3), 407-450, 2023)を以下に抜粋します。ドキシサイクリン,ミノサイクリン,テトラサイクリンといった抗生剤は推奨度は低いものの、実臨床では著効する場面も多々あり処方される皮膚科医の先生は多いことと思います。また、顕微鏡検査でニキビダニが陽性の場合にはメトロニダゾールが有効なケースも経験します。
1. 抗生剤:ドキシサイクリン,ミノサイクリン,テトラサイクリン▶C1
丘疹膿疱型酒皶に対するドキシサイクリン、ミノサイクリン 、テトラサイクリンの内服療法は、本邦でのエビデンスが乏しいので、選択肢の一つとして推奨する。
2. 内服薬:漢方,イベルメクチン,メトロニダゾール▶C2
漢方や、毛包虫が検出された場合のイベルメクチン、メトロニダゾールの内服については、ガイドラインとして
推奨できるエビデンスはない。
酒さの診断は、皮疹の分布やダーモスコピー(拡大鏡)で拡張した脂腺や脂腺性毛包周囲の紅斑、脂腺性毛包を取り囲む毛細血管を確認します。酒さは毛包脂腺系の慢性の炎症性皮膚疾患ですので、重症のざ瘡に処方されることの多いイソトレチノイン(※自費診療)も有効と考えますが、懸念される副作用が多いため内服薬のファーストチョイスとはなりにくいでしょう。
酒さの治療は長期戦になりますが、治療方法を上手に組み合わせて治していきましょう。